はやふた月以上も経ってしまったが、8月12日に出発して16日まで5日間にわたるモンゴル大地馬の旅は終わった。ソドさん経営のゲルに夕方6時ぐらいだったかに無事到着した。乗馬初体験者が4人もいて5日間も馬旅をしたとつい最近あったモンゴル人に話したらかなり驚いていた。ベース・キャンプは穏やかに迎え入れてくれた。
長い馬旅からの解放感を味わっていたのも束の間、神聖にして驚きの展開が待っていたとは。モンゴル馬の旅フィナーレ晩餐に羊をご馳走してくれるそうだ。遊牧民の方々からの最高のO・MO・TE・NA・SIである。羊を一頭連れて来ると二人掛かりで4本の足を持ち静かに宙吊りにした。羊は暴れもせずされるがままだ。何分経ったであろう。シートに静かに寝かせる。
もっとリアルなカットもあるのだがSNSで転用されたりしたらつまらないので文章でご理解いただきたい。人間でいえばみぞおちあたりからナイフを入れ10cmほど切り下げる。両手を皮下左右に差し入れて最初に血脈を断たのだろう。先に神聖なと書いたが羊が鳴きもせず暴れもせず人間のために己の命を差し出す如くであったからだ。年を重ねた遊牧民は解体技術を持つ人が多いそうだ。自然と人間の不離一体を見た想いだった。
この後やはり両手を差し入れ全ての臓器をきれいに取り出し血液もすべてコップで汲み出した。血液は最高の栄養源だろうと思う。犬には膀胱と骨ぐらいしかおこぼれがなさそうだ。そろそろ夕陽が落ちそうな時間になっていた。